FtMの性同一性障害者にとって、生まれ持った女性的な体の外観を自己認識性別の男性的なものに近づけるために効果的な手法としてあげられるのが、男性ホルモン治療です。男性ホルモンを摂取する際には、かならず副作用に対する知識と、医師の診断の基に行うことが大切です。ここでは、私の友人のFtMの方の体験や感想を基に、男性ホルモンについてご紹介いたします。
まず、男性ホルモン治療を始める前に、自分が本当に性同一性障害なのか?
自分の体が嫌で、見るのも苦痛なくらい自分の生物学上の性別に違和感があるか?
そういった点をもう一度確認してください。
男性ホルモン治療はメリットもあれば、副作用も当然あります。
方法を間違えば、命の危険もある治療だということを承知の上、安易な発想では始めないことをお勧めします。
さて、男性ホルモンには一体どのような種類があるのでしょうか?
男性ホルモンは、合成型と天然型との2つに分けられます。
また、男性ホルモンは、主に錠剤(経口)で摂取する方法と、注射による服用方法があります。
錠剤型の男性ホルモンは、気軽にネットで輸入購入が出来るという利便性がある反面、医師の診断の基に行われる注射における摂取が望ましいです。
主な男性ホルモンは下記の通りです。
- フルオキシメステロン: 錠剤の男性ホルモン剤で、2mgと5mgがあります。一日1~2回程度の服用が目安です。肝障害やアンドロゲン依存症腫瘍を持つ人は服用できません。
- エナント酸テストテロン: エナルモンデポーと呼ばれる油性の注射です。125mgと250mgがあります。筋肉注射ですが、同じく、アンドロゲン依存性腫瘍を持つ方は服用できません。
上記以外にも、様々な男性ホルモン剤がありますが、メジャーなものに絞ってご紹介させて頂きました。
錠剤タイプの男性ホルモン剤は、個人輸入などで、容易に手に入れることができますので、医師の診断は必要ありません。しかし、その分、摂取の方法も人それぞれですので、すべて自己責任ということになります。
また、すぐに男性体質になるということもないので、一度に多くの服用は危険です。少しずつ、摂取をしていきましょう。
男性ホルモンのメリット:
- 体毛が濃くなり、男性の肌質のように荒くなる
- 筋肉質な体格になる
- 性欲が増加する
- 男性的な体臭がするようになる
- 攻撃的な男性の性格になることがある
男性ホルモンのデメリット:
- 頭髪が減少することがある
- 性欲が増大した分、クリトリスが過敏になって痛みを感じることもある
- クリトリス自体が肥大化することがある
- 肌質が荒くなるので、ニキビなどが出来やすくなる
- 男性的な体臭や尿の匂いが変化する
- 感情的に攻撃的になる
- 不妊になる
男性ホルモンで変わらないこと:
- 骨格(医学的には変わらないとされていますが、私の友人は、男性らしい骨格になってきたといいます)
- 声帯や声(医学的には変わらないとされていますが、私の友人は、声帯が厚くなり、声が低くなったようです)
- 身長
- のど仏は出ないでしょう
以上が男性ホルモンに対する基礎知識とメリットやデメリットです。
FtMの方は、本当に鏡をみるのも苦痛なので、一刻も早く男性ホルモンを摂取したいと考えていらっしゃると思いますが、中途半端な意思の方は、正直やめたほうが良いでしょう。
一度、男性ホルモンを摂取し始めて、またやめたりすると、ホルモンバランスが崩れ、非常に危険です。また、副作用として心疾患、男子性腺機能不全や男子不妊症、がんの危険性などもあります。医師の診断のもとに、適切な治療をしていくことをお勧めします。

